May–August, 2023

Sixteen students from around Japan joined top chefs to learn about maritime issues and create a restaurant charting the course for the future of the oceans in a three-month program called THE BLUE CAMP. After participating in lectures, fieldwork, and restaurant training, their work culminated in pop-up restaurants in Tokyo and Kyoto, open for just six days.
(Supported by the Nippon Foundation Umi to Nihon (Oceans and Japan) Project

Participating chefs:
[Sincere] Shinsuke Ishii
[No Code] Fumio Yonezawa
[Cenci] Ken Sakamoto
[MOTOI] Motoi Maeda


ブルーキャンプに込めた思い

海の未来は、漁業者の方々だけでも、国や行政だけでも、流通だけでも、消費者だけでも、つくることはできません。さまざまな立場の方々の、複雑にからみあった課題や関係性を解きほぐしながら、共に解決する道筋をつくることが必要です。

80名の応募の中から選ばれた東京8名京都8名、計16名の学生たちが、3か月間シェフとともに学び、考え、「未来につながるレストラン」をつくりあげました。

そのために私たちシェフチームができることとして、たどり着いたひとつの答えが、THE BLUE CAMPというプロジェクトでした。


プログラム

1. キックオフ
参加者及びシェフ、プログラム全体をサポートするコーディネーターなどが東京、京都各エリアで一同に集まり、シェフが(シェフと一緒に)つくる料理を囲んでプログラムがキックオフ

2. オンライン講座
海と漁業、水産資源の持続可能性、食文化、レストラン経営などをオンラインで学ぶ全7回の講座です。(各2時間、東京、京都同時開催)

第1回:日本の海と漁業の現状
第2回:レストランとは何か
第3回:水産改革と持続可能な漁業
第4回:飲食店経営とキッチン・サービスオペレーション
第5回:海の今と向き合う漁業者の声
第6回:食材調達の在り方と社会におけるレストランの役割
第7回:水産流通と課題

3. 産地フィールドワーク
水産物の生産現場を訪ね、漁やセリを体験し、関係者との対話を通じて学ぶ濃厚な2日間。

東京:富戸港(静岡県伊東市)、長井港(神奈川県横須賀市)
京都:明石浦港(兵庫県明石市)

4. レストラン研修
東京、京都それぞれのトップシェフのレストランにて実技研修。作り手と食べ手が集うレストランという場所で本格的な体験を実施。

東京:【sincere】シンシア(北参道)
京都:【cenci】チェンチ(神宮丸太町)

5. ポップアップレストラン
東京:8月11日(金)~16日(水)ランチタイム、20〜30席使用  場所:東京大学駒場第二キャンパス【食堂コマニ】
京都:8月14日(月)~19日(土)ランチタイム、20〜30席使用 場所:京都 京都信用金庫QUESTION【DAIDOKORO】

最終的に学生たちがたどり着いたレストランの形

大学教授、水産庁職員、漁業者、流通業者、レストラン経営者。トップレベルのプロフェッショナルの皆さんとの合計7回の学びのセッションは、毎回2時間の枠を超える熱のある議論に発展しました。そして漁場や漁港にお邪魔してのフィールドワークと、星付きレストランでの実地研修。私達が必要と考えたインプットを容赦なく浴びせた前半戦、学生たちはスポンジのように吸収し、鋭い感性と視点で私達を驚かせてくれました。

後半にかけてのレストラン企画は、まさに産みの苦しみ。学べば学ぶほど課題の複雑さを知ることとなり、何を伝えれば良いのか?自分たちで何ができるのか?学生たちは悩みに悩み、沼に落ちそうになる彼らを東京・京都それぞれのコーディネーターとシェフたちが全力で伴走する。そんな日々が続きました。

最終的に彼らがたどり着いたレストランの形。
東京チーム「azure」では、「大きなゴールを達成につながる、小さな一歩を踏み出すこと」を目標に、「当たり前をもう一度問い直すこと」を感じてもらうための。京都チーム「yukashi」では、「海についてもっと知りたいと思ってもらう」ために、「普段食べている魚がどんなものであるか再発見してもらう」ための、料理とサービスが表現されました。

最後になりますが、プロジェクトを全面的にサポートいただいた日本財団「海と日本プロジェクト」、またクラウドファンディングはじめご協力いただきました多くの皆さま、学びやフィールドワークでお世話になった講師および漁業関係の皆さまへの、心からの御礼申し上げます。


プロジェクトメンバー

東京チーム伴走シェフ:
・【シンシア】石井真介シェフ (@shinsuke.ishii
・【NoCode】米澤文雄シェフ (@yone_asakusa
東京チームコーディネート:
Crops Food x ESD Design 須賀智子、ウィルドアチーム、沢井和也

京都チーム伴走シェフ:
・【チェンチ】坂本健シェフ (@sakamotoken)
・【レストランMOTOÏ】前田元シェフ( @motoimaeda
京都チームコーディネート:
前原裕作(@daitokoro.kyoto )、木下京介(@glocalcenter )