2026年6月8日、Chefs for the Blue主催のイベント、THE BLUE FEST(ブルーフェス)に来てくださった鈴木憲和農林水産大臣に、仲買人の「さかな人」長谷川大樹さんをご紹介したことをきっかけに、8月27日、神奈川県・長井漁港にて鈴木大臣の現地視察と意見交換会が実現しました。

日本の食文化を支える沿岸漁業ですが、多くの魚種で科学的検証が十分に行き届かないまま、漁業者の自主管理に委ねられているのが実情です。そうした中、長井漁港では若手漁師たちが自らデータを可視化し、資源管理に取り組んできました。

当日は、魚本来の美味しさを損なわないよう神経締めを施し、付加価値をつけて飲食店へ届ける長谷川さんから「漁師がしっかり儲かるビジネスモデル」が紹介されたほか、漁師の仲地慶祐さんが長井町漁協における過去10年間の漁獲量減少データと自主的資源管理施策の現状を提示。感覚値に頼りがちだった危機感を、漁師自ら精度の高いグラフに落とし込んで大臣に訴えかけました。


当日参加した漁業者の方々は、現場で懸命な努力を続けていますが、資源を維持するためにその自主管理が適正な内容なのか、判断することはできません。「沿岸漁業の資源管理を効果的なものにするためには科学的知見が不可欠であり、そのための人員配備や予算が必要である」という仲地さんのロジカルなプレゼンテーションと切実な訴えに対し、鈴木大臣も深く頷かれた様子でした。
大臣は総括として、自ら資源管理に立ち向かう漁業者への敬意を表しつつ、「次年度に向けて資源を科学的に評価して守るための予算を増やすことをしていかなければならない」(『日刊水産経済新聞』2026年8月28日,朝刊)と心強い意向を示されました。さらに、長井での事例をモデルとし、意欲ある全国の漁港や行政と手を取り合うネットワークづくりの構想も語られました。

今年5月の政策提言書の提出や、ブルーフェスへの大臣のご参加など、関係者の皆様とともに重ねてきた一つひとつの対話の延長線上に、今回の視察がありました。現場の漁師・仲買人の皆さまとともに「自主管理に留まらず、国を挙げた科学的資源管理を進める重要性」を訴え、国からの力強い支援の意思を引き出せたことは、持続可能な海の未来に向けた大きな一歩です。
私たちはこれからも、生産者・行政・消費者をしっかりと繋ぎ、豊かな海と食文化を未来へ引き継ぐ活動を推進してまいります。