2023年8月11日〜19日、学生プロジェクト「THE BLUE CAMP」(ブルーキャンプ)のポップアップレストランを無事に終えることができました。
【ブルーキャンプに込めた思い】
海の未来は、漁業者の方々だけでも、国や行政だけでも、流通だけでも、消費者だけでも、つくることはできません。さまざまな立場の方々の、複雑にからみあった課題や関係性を解きほぐしながら、共に解決する道筋をつくることが必要です。
そのために私たちシェフチームができることはなんだろう?そうしてたどり着いたひとつの答えが、THE BLUE CAMPというプロジェクトでした。
シェフ達はプレイヤーになるのではなく、未来を生きる学生達のサポート役となる。ともに学び、レストランをつくりあげ、将来さまざまな分野に飛び立っていく学生たちの横のつながりをるプロジェクト、THE BLUE CAMP。80名の応募の中から選ばれた東京8名京都8名、計16名の学生たちとともに走った、3ヶ月のプログラムが終了しました。
【最終的に学生たちがたどり着いたレストランの形】
思えば酷な無茶振り、だったかもしれません。大人たちも現在進行形で答えを探し続けている、大きな大きな海の課題について、「未来につながるレストラン」を3ヶ月でつくるという設定自体が。
大学教授、水産庁職員、漁業者、流通業者、レストラン経営者。トップレベルのプロフェッショナルの皆さんとの合計7回の学びのセッションは、毎回2時間の枠を超える熱のある議論に発展しました。そして漁場や漁港にお邪魔してのフィールドワークと、星付きレストランでの実地研修。私達が必要と考えたインプットを容赦なく浴びせた前半戦、学生たちはスポンジのように吸収し、鋭い感性と視点で私達を驚かせてくれました。
後半にかけてのレストラン企画は、まさに産みの苦しみ。学べば学ぶほど課題の複雑さを知ることとなり、何を伝えれば良いのか?自分たちで何ができるのか?学生たちは悩みに悩み、沼に落ちそうになる彼らを東京・京都それぞれのコーディネーターとシェフたちが全力で伴走する。そんな日々が続きました。
最終的に彼らがたどり着いたレストランの形。
東京チーム「azure」では、「大きなゴールを達成につながる、小さな一歩を踏み出すこと」を目標に、「当たり前をもう一度問い直すこと」を感じてもらうための。京都チーム「yukashi」では、「海についてもっと知りたいと思ってもらう」ために、「普段食べている魚がどんなものであるか再発見してもらう」ための、料理とサービスが表現されました。
【THE BLUE CAMP とは何だったのか】
シェフ、コーディネーター、事務局メンバーで振り返りをしました。
一番最初の企画書に「未来のチェンジメーカーを育てる」と書きました。水産を研究する学生、大学生、高校生、調理専門学生、多様なバックグラウンドを持ったメンバーたちを、チェンジメーカーに育て上げるプログラムになっていただろうか?
Webページには「海の未来をつくる」と書きました。プログラムのWebやInstagramを見ていただいた方、レストランに訪れてくれた方に、未来につながる何か(もしくはその一歩となる何か)をお渡しできただろうか?
嬉しかったのは、来場者のみなさんの言葉です。おいしかった、感動した、希望を感じた、気づきがあった、エネルギーをもらえた。こうした変化の芽のようなものを、これからどのように広げていけるだろうか?
多くの皆さまのご協力のおかげで、無事に実施することができたTHE BLUE CAMP。大きな手応えとともに、今後への大きな宿題もいただいたと感じています。是非引き続き、見守っていただけたら嬉しいです。また、学生たち自身によるふりかえりは @azure.staurant をご覧ください
最後になりますが、プロジェクトを全面的にサポートいただいた日本財団「海と日本プロジェクト」、またクラウドファンディングはじめご協力いただきました多くの皆さま、学びやフィールドワークでお世話になった講師および漁業関係の皆さまへの、心からの御礼申し上げます。
【プロジェクトメンバー】
東京チーム伴走シェフ:
@sincere_0412 石井シェフ @shinsuke.ishii
@nocode_tokyo 米澤シェフ @yone_asakusa
東京チームコーディネート:
Crops Food x ESD Design 須賀智子、ウィルドアチーム、沢井和也
京都チーム伴走シェフ:
@cenci.kyoto 坂本シェフ @sakamotoken
@restaurantmotoi 前田シェフ @motoimaeda
京都チームコーディネート:
@daitokoro.kyoto 前原裕作
@glocalcenter 木下京介