「和食:日本人の伝統的な食文化」がユネスコ無形文化遺産に登録されてから、2023年12月4日で10周年。日本の伝統的な食文化を守り、和食文化を未来に伝えるために農林水産省が福岡県博多市で開催した和食文化の普及イベントに、「御料理ほりうち」の堀内さやかシェフと代表の佐々木が登壇しました。

「サステナブルな和食」をテーマに堀内シェフが行った基調講演では、料理人が一次産業(特に水産業)の現状や課題を知ることの大切さを伝え、また料理人は自分が使いたい食材にこだわりすぎず、自然のサイクル、つまり水揚げや収穫の状況に合わせた調達をし、料理を作ることで自然への負荷を下げられると説きました。

その後のパネルディスカッションで迎えたパネリストは、京都府立大学和食文化研究センター客員教授でふじのくに地球環境史ミュージアム館長の佐藤洋一郎先生、一般社団法人 日本ガストロノミー協会会長の柏原光太郎氏、そして堀内シェフの3名。1時間のディスカッションでは佐々木がファシリテーターを務め、「料理人たちの危機感が生み出したサステナブルな海への取り組み」「地域資源としての食文化を活用した、持続可能な地域の創出」「今後の和食文化を支える地域の力」という3つの論究テーマに基づいて、さまざまな視点からの意見を交換しました。

またイベントの最後に設けられた、会場の参加者からの質問を受ける対話セッションでは、多く方々からの質問をいただき、活発な議論の場となりました。

昆布と鰹節(もしくは鯖節、鮪節、イリコ、アゴ、、)という海の幸でつくる出汁をはじめ、そもそも和食は水産物がなければ成り立ちません。そんな和食を支える海は今、待ったなしの危機的な状況にあるのです。このような登壇機会や行政の方々、消費者の皆様との対話を通じ、私たちの食文化を未来につなぐ重要性を改めて確認した福岡の一日でした。

●関連リンク
農林水産省HP
https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/wasyoku_unesco10/hukyuu_event.html

●担当メンバー
【御料理ほりうち】堀内さやか、佐々木ひろこ